世界的にも有名なニュージーランドのラフティング
ニュージーランドはアクティビティ大国で、アウトドアな人間にとって天国のような場所であるが、ラフティングもまた世界的に有名である。
さて、今回は引きこもり気質のもやし男であるぼくが冬のロトルアのカイトゥナリバーにて、冷や水に浸かり、人生丸ごと投げ出された経験について話そうと思う。
ぼくは今ワーキングホリデーでニュージーランドに来ているが、ようやくキウイのパッキングの仕事が終わり、たっぷりの時間と多少自由に使える金ができた。
とはもうニュージーランドは6月になるともう冬になり、できるアクティビティが減ってくるわけだが、閑散期になると割引価格で遊ぶことができる。
ラフティングも本来なら105ドルのところ、ぼくが予約サイトを見た時には85ドルになっていたので、極寒ラフティングになることは目に見えていたのにも関わらず、このわずかな割引に負け、予約することにしたわけだ。
そもそもラフティングってなによ
ラフティングという単語自体を聞いたことはあるが、それがどんなアクティビティなのかよくわからない人に、ここで説明しよう。
ラフティングとは、簡単に言えば6〜8人乗りのゴムボートでパドルを使って川を下っていくアクティビティである。
日本で引きこもりをやっていた時には、『こんな非生産的で自分自身を無意味にリスクに晒す遊びをやるなんて、なんと人間とは愚かしい生き物なのだ』なんて考えながら鼻くそをほじくっていたわけだが、これは結果ではなく急流を駆け下る過程を楽しむものだ。
さて、このラフティングのできる運行河川には1〜6の難易度が定められている。
・grade1:静かな流れ。水面に波が立たないか、さざ波程度の小さな波しか立たない瀬。(5歳の子どもでも参加できる)
・grade2:中くらいの波が続くが、険悪な障害物がなく、素直な流れで見通しの良い瀬。(5歳以上の子どもでも参加できるが10歳以下の子どもは大人の付き添いが必要)
・grade3:大波が連続したり、不規則な大波の発生する瀬。障害物も増え、流れを読む力や的確な進路変更の技術を要する。(13歳以上なら参加できる)
・grade4:船を転覆させるほどの大波や渦が発生し、下見の必要な瀬。時として険悪な障害物も出現し、これらを回避するための高度な技術、判断力に加え、レスキュー能力も要する。13歳以上なら参加できる)
・grade5:非常に大きな波や渦、障害物の連続する、長く複雑な瀬で、生命の危険もある。高度な技術、判断力が必要なのはもちろん、下見やレスキューについても万全の体制で臨む必要がある。13歳でも参加はできるが、16歳以下の子どもは大人の付き添いが必要)
・grade6:究極の進路選択が必要な極限状態の瀬。一般的に、生命の危険なくしては降下不可能とされている。(資格や経験が必要とされる。死にたい人向け)
ぼくが挑戦してきたのは、ロトルアのカイトゥナリバー(kaituna river)の難易度5。
死にたい人間を除けば、実質的には最高難易度である。
ちなみにロトルアには3つの川があり、どこでもラフティングができる。
もっと難易度の低いものもあったのだが、なぜ難易度の高いものを選んでしまったのか、ぼくにもよく分からない。
まさかの寒中水泳
ぼくは冬のラフティングを甘く見ていた。
水しぶきはとんでくるであろうが、手持ちのgo proで綺麗な景色を撮影しながら、川下りできるものだと思っていたのだ。(実際にラフティングするまで自分もパドルを漕ぐものだとは思っていなかった)
ディズニーのスプラッシュマウンテンに乗るお気軽な感覚である。
ラフティングツアーの会社に着くと、さっそくウェットスーツを着て、さらにその上に二重でウェットスーツを着る。
サイヤ人の戦闘服を着ているみたいな気分になった。
まあ、それはさておき。
完全にgopro を手持ちで持って撮影できる雰囲気でもないため、失くしても困るし(なんのためのアクションカメラなんだか・・・)、バッグの中に置いてきた。
バスでゴムボートを出すポイントに向かう最中、ボートから落ちた時のレクチャーを受けるが、やってはいけないことが意外と多くて、いきなり頭の中に入らない。(日本語と絵でまとめられたものが読めるので、それに関しては安心できる)
ボートを出す前に、ガイドから「お前、泳げるか?」と聞かれる。
「まあ、たぶん・・・」と答えると、「ならよし」と言われた。
この時、まさか・・・と思った。
まさか、俺はとんでもないことをしでかしてしまったんじゃ・・・。
そのまさかだった。
ラフティングをしながら写真を撮れる状況ではなかったので、どんな様子で川下りをしたのが、ラフティング後に30ドルで購入した外側からの写真を見ていただきたい。
川の流れに逆らって、パドルを漕ぎ、冷水を浴びる。
この奇行に関しては、今でもその理由は分からない
まあ、とにかくこれだけではない。
ボートから落とされて、急流の中を泳いだり、小さな滝を流れ落ちたりした。
(無論、救命胴衣はつけてる)
体の芯から凍りついているのに、頭の中ではアドレナリンがどぱどぱ出ている。
これは新体験というか、なんというか。
ひょっとすると、ぼくは一回死んだのかも知れない。
超楽しかったけど、冬の川では二度とやりたくない。
今度は夏に行こう。夏に・・・。
鼻風邪引いた
ラフティングを終えたあとは、震えが止まらなかったため、近くの天然温泉に行った。
が、温泉程度でなんとかなる寒さではない。
後日、鼻風邪を引いた。
これがディスカウントとのトレードオフなのである。
みんな・・・。ラフティングは夏に行こう・・・。