あまのじゃくのきまぐれ

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【簡単に読書録】超面白い!中島らもの『ガダラの豚』を夜も忘れて1日で読んだ!【読まないと損!】

 

ガダラの豚 1 (集英社文庫)

ガダラの豚 1 (集英社文庫)

 

 

前は中島らもの『君はフィクション』を紹介しましたが、

その流れで中島らもの長編小説『ガダラの豚』をおすすめしてみます。

おすすめの小説の中に、この『ガダラの豚』を挙げる人も多い印象です。

実際、めちゃめちゃ面白いと・・・。

エンタメ小説のなかでも、筒井康隆の『パプリカ』と並ぶくらいの段違いの面白さでした。本当に一日で全部読了できるとは思わんかったなあ・・・。

本嫌いの人にもおすすめできる小説です!

 

この小説の主な舞台となってくるのは、アフリカのケニア。

呪術の研究の権威である民族学者の大生部多一郎が、研究助手であり少林寺拳法の使い手の道満、スプーン曲げ少年の清川、大生部の長男の納たち一行と共にテレビの特番の撮影で、呪術師集団の村「クミナタトゥ」へと向かい、大呪術師バキリと対決する!

小説的な物語の大筋は、とてもとても端的に言えばそういうお話です。

ちょっとハリーポッターっぽいですかね?

ガダラの豚は三部作で、第一部と第二部、第三部とでは話がちょっと違うんですけどね。詳しく書くと・・・

 

第一部では、8年前にアフリカで大生部の娘の詩織を気球の落下事故で亡くして以来、精神を病んでいた大生部の妻、逸美を新興宗教団体「聖気の会」から奇術師ミラクルと共に奪還しにいく話。

第二部は、ケニアをテレビの特番で取材しながら、呪術師集団で大生部一行が大呪術師バキリとまみえ、一行はバキリのタブーを犯してしまう。

第三部では、東京を舞台に、テレビ番組の収録で大呪術師バキリと大生部一家が直接対決するスペクタクル的ドタバタ劇!

 

という感じです。

呪術に超能力、トリックに幻覚、アフリカ、エロ、スプラッター、ドタバタコメディ、夫婦愛などなどをとにかく詰め込んだ小説なんです!

お堅いことは抜きにして、人を楽しませることに全力投球した、まさしくエンタメです!

 

この小説のスゴイと思ったのは、この小説で起きる超常現象が、心理学的な暗示とか登場人物の幻覚によるものなのか、単なるトリックか、超能力とか呪術といったものによって引き起こされているのかが曖昧になっているんです。

だから、読者が超能力とか呪術といったものを信じているかどうかによって、物語の見方も変わってきます。そこがハリーポッターと違うところですね。

 

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写真はブードゥー博物館で撮った人形

 

第二部で大生部一行がアフリカへと取材旅行に行くのですが、その時に民俗学者である大生部のアフリカにおける「呪術」の役割の説明がとても面白いんです。アフリカにおける呪術の役割とか、呪術師を通してアフリカの人たちがどのように日常での諍いを解決しているのかを知ることができます。

アフリカにも都会もあるし、日本人が安易にイメージするようなサバンナで半裸で槍を持って生活している人は出てきません。日本とは違った社会基盤で動く、リアルな呪術社会のなかで冒険が行われるからこそ、小説としての面白さも倍増しているのだと思います。ちょっと、ケニアにも行きたくなっちゃいましたね。

 

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ケニアの首都ナイロビらしい

細かいことは抜きにして、読んでみることを全力でおすすめします!

絶対に損はないです!

ていうか、なんで『ガダラの豚』映像化しないんだろう?

映像化に合わない作品ばかりが映画になったりしているのに・・・。

マスメディアへの皮肉を読み取っているからなんですかね?